流動比率 (Current Ratio) と 当座比率 (Quick Ratio) の違い

流動比率 (Current Ratio)当座比率 (Quick Ratio) は、どちらも企業の流動性を評価する指標ですが、短期負債をカバーする能力の評価方法が異なります。

計算式:

流動比率 (Current Ratio): 流動比率 (Current Ratio)=流動資産 (Current Assets)流動負債 (Current Liabilities)

当座比率 (Quick Ratio): 当座比率 (Quick Ratio)=当座資産 (Quick Assets)流動負債 (Current Liabilities) ここで 当座資産 (Quick Assets)=流動資産 (Current Assets)在庫 (Inventory)前払費用 (Prepaid Expenses)

例:

同じXYZ社の例を使用:

  • 流動資産 (Current Assets):

    • 現金: 50,000ドル
    • 売掛金: 30,000ドル
    • 在庫: 20,000ドル
    • 前払費用: 5,000ドル
    • 流動資産合計 (Total Current Assets): 105,000ドル
  • 流動負債 (Current Liabilities):

    • 買掛金: 25,000ドル
    • 短期負債: 15,000ドル
    • 未払費用: 10,000ドル
    • 流動負債合計 (Total Current Liabilities): 50,000ドル

流動比率 (Current Ratio) の計算: 流動比率 (Current Ratio)=105,00050,000=2.1

当座資産 (Quick Assets) の計算: 当座資産 (Quick Assets)=105,00020,0005,000=80,000

当座比率 (Quick Ratio) の計算: 当座比率 (Quick Ratio)=80,00050,000=1.6

解釈:

  • 流動比率 (Current Ratio) が2.1ということは、XYZ社は1ドルの流動負債に対して2.10ドルの流動資産を持っていることを意味します。
  • 当座比率 (Quick Ratio) が1.6ということは、XYZ社は1ドルの流動負債に対して1.60ドルの当座資産を持っていることを意味します。

当座比率 (Quick Ratio) は在庫や前払費用を除外するため、より厳密な指標です。これにより、現金化が容易な資産のみを考慮することになります。