金利の話で重要なフィッシャーの式。
フィッシャーの式は、Irving Fisherという経済学者が導き出した公式で、以下のようになる。
(1 + nominal interest rate) = (1 + real interest rate) x (1 + inflation rate)
(1 + 名目金利) = (1 + 実質金利) x (1 + インフレ率)
金利とインフレ率の関係性を示したものであることはわかるものの、金利の中に名目金利と実質金利という二種類があるのでん?と思うかもしれない。現在価値や将来価値の計算で使ったり、銀行預金や住宅ローンなどで、私たちがよく見かける「利率」は「名目金利」として、ここでは大文字のRであらわす。現在価値や将来価値の公式では金利はrとして小文字で出てきたので紛らわしい。
R: nominal annual percentae rate(名目金利)
r: real interest rates (実質金利)
ri:インフレ率
rp:純粋利子率
rr:リスクプレミアム
※純粋利子率とリスクプレミアムは、実質金利を構成する二つの要素。
フィッシャーの式は以下の様に展開することができる。
(1+R)=(1+r) x (1+ri)
(1+R)=(1+rp) x (1+rr)x(1+ri)
(1+r) = (1+R) / (1+ri)
これらの式は計算が困難なこともあるので、簡素にした下の式が一般的には使われている。一言で「フィッシャーの式」と言っても何パターンもある。
フィッシャーの式はいくつも展開していてややこしいが、最後の式まで整理されると、非常にわかりやすいと思う。実質金利は、名目金利からインフレの影響を差し引いたものとなる、というシンプルなことを言ってるに過ぎない。名目金利だけ見て「高い!」と思っても、その瞬間のインフレ率も同様に高いのだとしたら、実質的な金利はそこまで高くない、ということになる。
コンセプトの理解や一般生活のうえでは、この簡易版の公式を抑えておけば十分だろう。しかし、財務の試験にはガチで純粋利子率とインフレ率・リスクプレミアムから名目金利(R)を出すみたいな問題がバンバン出る。